「学校は遠回りをするところです。」このような言葉を中学1年生のとき、社会科の先生に最初の授業で頂きました。学校では効率だけを求めるのではなく、様々な経験を通してより多くの学びを得てほしいとのことでした。この6年間を振り返ると、随分と遠回りだったと感じます。
学習面では多くの試行錯誤がありました。試験では毎回、クラス内の席次や学年順位が必ず出ます。同級生と切磋琢磨する中で、私はその順位や偏差値が目標になっていました。勿論、努力の結果を出し切れれば十分なのですが、短期目標として活用するには最適でした。前回より1つでも上げてやろうと考えていました。しかし、コロナ禍による休校後、新しい学習習慣に対応できず、成績が伸び悩んでしまいました。高校1年から2年に進学したときのことです。受験が迫る焦りもありましたが、先生方はニーズに応じて特別講習を設けてくださりました。数学では先生に、苦手分野の克服のため個人的に依頼しました。問題集に掲載がない良問をプリントにまとめていただき、講義ではなく課題中心の講習をお願いしました。この形式は私によく合い、受験時には得意分野と言えるまで実力を上げられました。また、高校2年から3年にかけて参加した小論文の講習は、理系現役生が準備不足になりやすいため、大きなアドバンテージになっていたと思います。
私は水泳部に所属し、高校2年では副部長を務めました。暁星水泳部の運営は最高学年の高校2年生が中心になって行います。自主性が重んじられる環境の中で、集団をまとめることの難しさと協力することの大切さを学びました。特にコロナ禍は、同級生のみならず後輩たちや顧問の先生方とひとつになれたことで乗り越えられたのだと思っています。また、コロナ以前は合宿が行われていました。そこでは勿論、上級生が後輩に水泳と生活の指導をします。イベントの企画もしました。当時は単に、水泳部は自由だなと感じていましたが、今思えば、顧問の先生方にしっかりと見守られた環境でのびのび過ごせたことは貴重な経験でした。
中学2年生から文化祭委員会に所属しました。高校2年では委員長を務めましたが、準備が始まると同時にコロナ禍となりました。ビデオ会議で議論を重ね、オンラインでの開催を決定しました。初の試みでしたから困難の連続でした。しかし、同級生、後輩、先生方と一丸になって取り組み、成功させることができました。この成功からは、大きな達成感だけでなく、多くの学びを得ました。特に、他者とコミュニケーションを取り、協力することの大切さを痛感しました。また、そこで生まれた信頼関係や繋がりは一生モノだと思います。
そして、受験がありました。私は志望校から合格を頂きましたが、今年卒業する全員が上手くいったわけではありません。ただ、暁星での6年間は、全員にとって、今後の人生で必ず活かせるものだと確信できます。


