
中2 O.I
私は、今回の校外学習で二つの場所に行きました。
一か所目は小田原にある「生命の星、地球博物館」です。そこで、私の目は瑠璃色の蝶の展示に釘付けになりました。漆黒の羽に蒔絵の金粉がちらされたようなクジャクアゲハ。シンプルなベージュを纏ったヤママユ。瑠璃色のはねが光に反射して煌めく蝶の展示を見ながら、私は、「そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな。」と言うセリフを思い出していました。ヘルマンヘッセの「少年の日の思い出」で、大切にしていた蝶の標本を友達に盗まれたエーミールが、落胆と蔑みと共に、謝罪をしてきた友達に向けて言った言葉です。償いの物を差し出されてもエーミールは友達を拒み、友達はエーミールとの関係が取り返しのつかない状況になったことを思い知って物語は終わります。重たい気持ちになって読み終えたことを思い出しながら、蝶の展示に釘付けになりました。
灰色の雲かかる小田原を、博物館をあとにした私たちは、次に、フォレストアドベンチャー小田原に向かいました。山の中、林間を友達が次々とジップラインで飛び出していきます。まるで、空中を飛んでいるように、木々の間をすり抜けて、飛び抜けていきます。地上15メートルの高さに思わず足がすくむ自分。友達は「来いよ!」と笑いながら呼び掛けてきていたけれど、正直、私は恐怖と向かい合いながらジップラインに飛び出していました。無事着地すると、友達の歓声と笑顔。豊かな自然の中で、私は心がほぐれていくのを感じていました。
東京へ向かうバスの中で、私は心地よい疲れを感じながら、友達と過ごした楽しい時間を思いかえしていました。博物館で見た瑠璃色の蝶を思いながら、ヘッセの作品の中の言葉「一度壊してしまったものは取り返しがつかない」が頭によぎります。友達との時間、豊かな環境。全てが自分にとっての宝になっていると感じました。
