毎年、秋になると暁星学園では中学3年生が広島と京都に研修旅行に行きます。ここ2年はできていませんでしたが、今回は3年ぶりに行われました。広島と京都に2日ずつ、いろんなところに行きました。奈良も滋賀も行ったかなあ。こんな弾丸旅行、初めてです。それでは、4泊5日の旅路をお楽しみください。まずは東京からのぞみ号に乗車。新横浜を出ると名古屋、京都、新大阪...と、主要駅のみ止まります。のぞみ号の最高速度は285㎞。景色があっという間に過ぎていきます。それゆえ、友達と景色の話をしていると追いつかないのです。11時51分、兵庫県は姫路に到着しました。ここでのぞみ号の豆知識を1つ。新大阪から先ののぞみは、「姫路」「福山」「徳山」「新山口」のどれかに必ず止まるようになっています。今回乗ったのぞみは姫路停車便でしたが、前後の便を見るとそれぞれ新山口、福山に止まっています。このあたりの駅は需要を考えて、のぞみの選択停車がされているようです。
・1日目 平和記念資料館・世界平和祈念聖堂
12時48分、列車は定刻通り広島駅に到着しました。やはり日本の鉄道は時間に正確です。バスに乗車して、まずは広島平和記念資料館へ行きました。とにかく、重い展示でした。改めて、原爆の恐ろしさ、核兵器の恐ろしさを思い知りました。何よりも印象に残っているのが、実際の原爆投下の映像です。飛行機から撮影したのでしょうか。原爆と思われる爆弾が地に落ちて、いきなり爆発してキノコ雲ができるんです。これを撮影した人は、どんな思いで撮影したのでしょう...。実は我々、修学旅行前の公民の授業で、原爆を実際に投下したアメリカ人博士(存命)のドキュメンタリー番組のようなものを見ていました。平和資料館にあった映像も、その博士が撮影したものとのことでした。しかしその番組を見た限り、博士はあまり原爆には興味が無さそうというか、未だに自分のしたことは正しいと思っているようでした。一方で、資料館には真剣に展示を見る外国人の姿もたくさんありました。人によって原爆に対する考え方が違う以上、核兵器廃絶というのはまだまだ先なのかもしれません。今回は1時間しか見る時間がありませんでしたが、2時間かけてじっくり見るべき場所だと思います。14時30分、平和資料館を出発して、世界平和祈念聖堂に移動します。広島の原爆を実際に経験した方が建てられた、由緒ある教会だそうです。ここでミサを行いました。
・2日目 中国新聞社にて語り部さんのお話・広島自主研修
広島駅からバスに乗って、中国新聞社まで行き、午前中は原爆生存者(語り部さん)のお話を聴きに行きました。20分ほどで、中国新聞社に到着。今回は、被爆者の朴さんのお話を聴きました。朴さんは13歳の時に路面電車で被爆したそうです。本来は学校がある日でしたが、学校に行っても勉強はできず、建物疎開の手伝いをさせられるだけだと思い、もう既に治っている額の怪我を理由に学校をズル休みして路面電車に乗っていたらしく、学校に行っていた同級生は全て死んでしまったとのこと。それまでずっと一緒に過ごしていた友達がいきなりいなくなる悲しさは想像を絶します。しかも死別です。朴さんは最後に、「この記憶を伝えていってほしい」とおっしゃいました。被爆者の高齢化が進む中、我々が大人になったときに同じことが繰り返されないよう、我々が伝承しなくちゃいけないと感じました。杖をつきながら登壇し、時々言葉を詰まらせながら、それでも被爆体験を話す朴さんの姿には被爆者としての自らの経験を伝えなくてはという強い責任を感じました。
語り部さんのお話を聴いた後は、班別で自主研修(自由行動)です。平和公園を少し散歩した後、船に乗って宮島へ行きました。港に行く途中、原爆ドーム(旧広島産業奨励館)の横を通りました。教科書やインターネットで見たことはありますが、実際に見るとやはり原爆の恐ろしさを実感します。中には入れませんが、外から見るだけでも建物の中に瓦礫が散乱しているのがわかりました。昔は階段もあり、各フロアにちゃんと床があって、たくさんの人がいたのでしょう。原爆はそれらを一瞬で奪ってしまう、やはり恐ろしいものです。平和公園から宮島には直通の高速船があります。わざわざ電車で宮島口へ行かなくとも、この船に乗ればわずか45分、しかも川の河口までは甲板に出られるため、風を感じながら宮島に行けるのでおすすめです。平和公園→宮島→宮島口で2300円と少し高いですが、払ってでも乗る価値はあります。13時5分、宮島に到着しました。宮島といったらやはり、厳島神社です。そして、宮島に来たらもう1つ、行くべき場所があります。宝物館、厳島神社の出口にあり、刀や書物を展示しています。普段見ないようなものがそろっているので、興味津々になると思います。気づいたらもう15:00過ぎ。ホテルに帰る時間です。
宮島港15:25→アクアネット広島・宮島口宮島航路→宮島口港15:35
そして帰りは広電でゆっくり帰りました。広島市街は太田川の三角州でできていて、水分の多い土地なので、地下鉄を掘れず、令和の時代でも路面電車が未だにたくさん残っています。
・3日目 コース別研修
新幹線に乗車して、新大阪に向かい、そこからバスに乗って奈良県は飛鳥に行きます。今日はコース別研修。予め4つのうちから巡りたいコースを決めます。僕は「考古学体験コース」を選びました。途中の定食屋さんでお昼を食べた後は、橿原市立博物館へ。そしてここで、大変貴重な体験することになります。なんと、実際に発掘された土器を触れるんです!これは貴重な体験です。でも案外触ってみると普通の石なんですね。昔の人がこれを土に埋めたと思うと、どんな暮らしをしていたのか気になります。そして、実際の復元作業も体験させてもらえるんです。確かに、いろいろいじってみるとくっつくものがあったり...教えてもらいながら、いくつか復元できました。そしてそのあとは、古墳に登りました。これもかなり貴重です。古墳は大きく分けて、丸い円墳と四角い方墳に分けられますが、実際に見てみると方墳も風化によって丸まってしまっており、区別がつきません。案内していただいた博物館の学芸員の方曰く、地形図の等高線を見て古墳がありそうな場所に目星をつけ、発掘などの調査をして古墳を調べるのだそうです。今回は時間の都合上、博物館の展示を見て回ることはできなかったので、また是非飛鳥には来てみたいなと思いました。バスに乗って、京都のホテルへ。二条城の向かい側のホテルに宿泊します。シャワーを浴び、夕食を食べて、部屋でゆっくりして寝ようと思いましたが、今日は夕食後の時間帯に仏師・松本さんのお話を聴きました。明日は1日中自主研修でお寺に行く予定なので、仏師の方から仏像の見方や仏像に込めた思いを聞けるのは大変貴重で、ありがたかったです。
・4日目 自主研修
今日は待ちに待った自主研修。広島と同様、予め予定を立てて観光します。まずはどこに行くのやら...
二条城前08:38→京都市営地下鉄東西線→東山08:45 東山三条08:53→京都市営バス206系統→清水道09:01
1か所目は清水寺です。778年に創建された由緒正しいお寺。やはり三重塔は有名です。そして清水寺といえば、「清水の舞台」も見なければ。左奥にうっすらと京都タワーが見えます。京都は景観保護のため建物の高さが制限されているので、高さがわずか131mの京都タワーも目立って見えます。さて、清水寺を一通り見たところで、次の場所に行きます。清水寺に行こうと思っている方は、朝早い時間帯がおすすめです。午後はもちろん、午前中も10時を過ぎるとたくさんの観光バスがやってきます(だからこそ今回はあえて清水寺にしました)。朝早い時間帯でも修学旅行生がたくさんいて身動きが取れなかったので、午後どうなるかは想像がつきます。
清水道10:03→京都市営バス206系統→七条京阪前10:10七条京阪前10:29→京阪ステーションルーブバス→七条壬生川10:38
2か所目は京都鉄道博物館。歴代のJR の車両の展示とともに日本の鉄道の歴史、交通の歴史を学べる博物館です。
梅小路京都西12:01→山陰本線→京都12:04
京都に着きました。ここで昼食をとります。京都といえば、にしんそば!実は京都駅の駅そばでも食べられます。関西風のお出汁に、コシの効いた良い香りのそば、そしてにしんも美味しい!これで680円なのでコスパも最強です。みなさんも京都にいらしたら是非一度食べてみることをおすすめします。
京都12:33→奈良線・みやこ路快速→宇治12:51
JR に乗って、宇治に着きました。3ヶ所目は平等院鳳凰堂です。1052年、藤原頼通によって建てられたお寺で、10円玉の裏に書かれていることでも有名です。世界遺産にも登録されています。ミュージアムを含め一通り拝観したら、カフェに行きます。宇治といえば宇治抹茶です。平等院内にある「茶房 藤花」では、宇治抹茶から煎茶、玉露まで様々なお茶をいただけます。僕は抹茶をいただきました。飲みやすく、飲んだあともすっきりとした味わい。大変おいしかったです。その後は宇治神社、宇治上神社に行きました。この2つの神社はもとは1つで、平安時代に建てられた日本最古の神社だそう。宇治神社は学問の神様として有名で、宇治上神社は世界遺産に登録されている歴史のある神社です。いつの間にか、もうそろそろ帰る時間です。行きはJRで来ましたが、帰りは京阪。行きと帰りで交通手段を変えるということは、僕が旅をする上で少し意識しているところです。行き帰り同じじゃつまらないです。
宇治15:11→京阪宇治線→中書島15:26 中書島15:29→京阪本線快速急行→三条15:43
三条でお土産を買います。三条駅の改札外コンコースには「京阪三条のれん街」というお土産屋があります。品揃えが豊富なのでおすすめです。その後は地上に出て三条大橋を渡り、商店街を散歩して、地下鉄に乗ってホテルに帰ります。
京都市役所前16:46→京都市営地下鉄東西線→二条城前16:50
・5日目 最終日
ホテルを出発したら、まずは建仁寺へ。1202年に源頼家によって建立されました。ここでは座禅体験をさせてもらえます。座禅というと、あぐらをかいて手を合わせてやるイメージがありますが、本来の座禅はあぐらではなく、あぐらをかいたまま足をもう片方の足の太ももにのせてやるのだそうです。僕は足がかたいのであぐらで失礼しました。最初は足が痛いのですが、5分くらい経つと痛みを感じなくなって、座禅に集中することができました。10分くらい経つと2回目の痛みが来ますが、もっと集中すればそれも感じないのかもしれません。座禅は15分で終了、建仁寺のお坊さんが座禅をやる意味などのお話をしてくださいました。そしてここから先はコース別研修。広島と同様、予め4つのうちから巡りたいコースを決めます。僕は「比叡山コース」を選びました。観光バスに乗車して比叡山へ。延暦寺の根本中堂や文殊楼、国宝殿などを見学。最澄によって建てられた歴史ある寺院で、焼討にあってしまったものの仏教の歴史を伝える重要施設です。見学したあとはバスに乗り、京都で昼食をとって、いよいよ新幹線に乗ります。
京都15:16→団体専用列車392号→東京17:27
帰りは念願の、団体専用列車!新幹線を貸切れるのはこれが最初で最後かもしれません。あっという間の旅路でした。僕の学年はコロナの影響で1,2年生は宿泊旅行ができず、これが初めての旅行になりました。ずっと忘れません。僕はどちらかというと、1人旅とか2人旅が好きで団体行動が苦手な人間なのですが、今回の旅行は大変充実していて一生ものの思い出になりました。(中3 Y.Y)